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ほのぼの「B級商店街」歩き

東京下町を中心に、決してA級ではないけれど、ほのぼのとした風情ただようB級・C級の商店街を、応援の思いも込めながらぶらぶらと歩きます。

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ほのぶらマン

Author:ほのぶらマン
商店街全盛時代を懐かしむ昭和世代の男です。商店街が少しでも元気を取り戻すことを願いつつ、ほのぼの感を求めてぶらぶらと散歩気分で歩きます。

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[№52]東日本橋やげん堀商店会

歩いた日 H24.05.28 【中央区】 
 中央区の北東端、地下鉄都営浅草線の東日本橋駅と神田川に架かる浅草橋、隅田川に架かる両国橋などに囲まれた東日本橋二丁目を範囲とする商店会です。「やげん堀(薬研堀)」とは、江戸時代前期にこの地にあった矢の倉という米倉から隅田川の間に開削されたV字状の運河の名が今に残されたものです。堀は元禄年間に矢の倉の移転とともに埋められたとのことで、今はその姿を想像もできません。
 薬草などをひいて粉砕する製薬道具が「薬研」で、V字状の窪みの上で円盤状のローラーを上下させて使うものですが、薬研堀の名はこのV字形になぞらえたものだそうです。
 かつて堀があったと思われるあたりに薬研堀不動院があり、ビルの谷間に埋もれるようでありながらその独特な形状が目を引きます。天正年間からの由緒があるそうで、現在は川崎大師の別院でもあります。店舗は町内各所に点在していますが、不動院前の道路や地下鉄駅前の集積度がやや高く、そのあたりを中心に毎年末に「歳の市」と近隣の繊維問屋街の「大出庫市」が開かれます。
 東日本橋二丁目は旧町名が日本橋両国で、江戸期の両国橋西詰は両国広小路と呼ばれ、江戸随一の繁華街だったそうですが、今は都心の一角を占める位置にありながらひっそりとしています。馬喰町、横山町の繊維問屋街の延長上ですが、問屋の衰退により都心居住型のマンションや中小オフィス等も増えているようです。店舗はそれらにサービスする飲食系が比較的多いと見えます。
 台東区との境をなす神田川には多くの屋形船が繋留され、川に架かる柳橋とともに江戸の風情を感じさせます。かつては花街だった柳橋にも隣接する薬研堀界隈は落語にもよく登場しますね。また、ここは七味唐辛子の発祥の地でもあるそうで、両国橋近くには小さな唐辛子店があります。
 商店街としての賑わいは乏しいですが、江戸紫の街路灯もつき、歴史を辿りながら散策するには良いところと言えるでしょう。地区内には、雑然としたビルの谷間から正面にスカイツリーを眺められる街路もあり、また、両国橋の袂から隅田川越しにみるスカイツリーも絵になります。
・なつかし度  ★★☆☆☆
・ぬくもり度  ★☆☆☆☆
・ひょうきん度 ★★★☆☆
・ふだん着度  ★☆☆☆☆
・ローカル度  ★★★☆☆

薬研堀不動院前の通り
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ビルに挟まれたような薬研堀不動院
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[№51]大鳥前商栄会

歩いた日 H24.05.26 【目黒区】 
 目黒駅から目黒通りの権之助坂を下っていくと、目黒川にかかる目黒新橋の向こうに魅惑的なアーケードが見えてきます。この日は、さらに先の元競馬場通りを歩き疲れて、バスで目黒駅に戻ろうとしたのですが、大鳥神社前の交差点まで来たところでこのアーケードに吸い込まれてしまいました。組織名は「大鳥前商栄会」ですが、アーケードの表示は「大鳥前商店街」です。
 大鳥神社の門前町の位置にあり、昭和初期からの歴史を持つそうで、戦後は露天街からスタートしたとのことですが、それにしてもこのアーケード、かなり年代物です。私が子どもの頃などには良く見かけたスタイルですが、今は貴重な存在ではないでしょうか。老朽化したアーケードの安全確保や更新・撤去などは今時の商店街が抱える大きな問題のひとつですが、ここでは、この昭和の雰囲気を懐かしみつつも、将来どうするのかが心配です。
 幅の広い目黒通りの両側歩道で、双方の行き来は両端の横断歩道でしかできず、向き合っていながらも分断されている感じで、北側と南側では雰囲気もやや異なります。北側は、下目黒小学校への進入路があり、精肉店、鮮魚店、クリーニング店等もありますが、全体にやや暗い感じです。南側の方が人通りは多いようで、飲食、物販、サービス等のお店が営業していますが、山手通り方面と目黒駅との間の人の流れをどれだけ吸収できているでしょうか。通行する人の年齢層に比べて商店街そのものが高齢化している印象です。
 と、ここで、デジカメで撮影しながらの一人で街歩き風のお姉さん(お嬢さん?)を発見。なぜか無意識に追いかけながら彼女がカメラを向けていた方を覗くと、階段を降りた路地に呑み屋などがあるそそられる空間が。さすがに目のつけどころが違いますね。結局、おじさんの私は声をかけることもできず、信号を反対側に渡り権之助坂をとぼとぼと登って目黒駅に戻ったのでした。
・なつかし度  ★★★★☆
・ぬくもり度  ★★☆☆☆
・ひょうきん度 ★★☆☆☆
・ふだん着度  ★★★☆☆
・ローカル度  ★★☆☆☆

大鳥前商店街の全景
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年代物のアーケードの下で
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[№50]大鳥前元競馬場通り商店街

歩いた日 H24.05.26 【目黒区】 
 目黒にかつて競馬場があったのをご存じでしょうか。明治40年に開設され、今の日本ダービーに相当する「東京優駿大競争」の第1回大会も開かれたそうですが、周辺の住宅地化に伴い昭和8年に閉鎖され、府中の東京競馬場に移転したとのことです。
 目黒駅から目黒通りを走る東急バスに乗ると3つ目の停留所が「元競馬場前」です。大鳥神社前からこの停留所を挟んで油面の信号あたりまでの目黒通りが「大鳥前元競馬場通り商店街」です。バス停を降りてすぐのところに、中央競馬会と商店街で設置したという立派な馬の銅像があります。
 目黒区商連ホームページの同商店街紹介コーナーには、「ここ数年、数多くのアンティークショップや家具屋さんが立ち並び、インテリア通りと称されるほど若者たちに人気」とありますが、確かにありますね、年代ものの家具や骨董品ともいえるアイテムを扱う店が道の両側にいくつも。米店の隣がアンティーク家具店といった光景も。きっと、最初に出店したところが話題を集め、類は友を呼ぶという形でこの集積ができたのでしょう。強烈な個性のオーラを放っています。
 店ごとにそれぞれ主張があるのでしょうが、古い瓦屋根の店舗もアンティークショップに変身していたり、店構えのバリエーションだけでもなかなか面白いものがあります。「煙突掃除承ります」なんていう表示も。バス停近くの「手作りハム工房」や「はらドーナツ」などという店も何となく古典的に見えてしまいます。
 この商店街の街路灯は馬のオブジェつきで、照明もどこかアンティーク調です。そうした中に、昔ながらの蕎麦店や肉まん店、うなぎの宮川があったり、「頑固蛸 目黒本店」というたこやき店に人が群がるなどの多様性もあり、また、日常生活ニーズには東急ストアが応えているようです。「東京バレエ団」や多摩大学目黒中学・高校があって通学路にもなっていますが、その並びには「目黒寄生虫館」なるものも。そーっと眺めるだけで通りすぎましたが。
 少々長くてまとまりには欠けますが、特定業種への特化路線は商店街のひとつの行き方かなとも思います。
・なつかし度  ★★☆☆☆
・ぬくもり度  ★★☆☆☆
・ひょうきん度 ★★★★☆
・ふだん着度  ★☆☆☆☆
・ローカル度  ★★★★☆

競馬場の名残を主張する銅像
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古い構えの店もアンティークショップに
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[№49]油面地蔵通り商店街

歩いた日 H24.05.26 【目黒区】 
 「油面」(あぶらめん)の名に惹かれて訪れました。角に交番がある目黒通りの「油面」の信号から北に伸びる商店街です。江戸時代にこのあたりで菜種栽培が盛んで、菜種油の製造により税が免除されたという「油免」→「油面」の由来説があるそうですが、今は一面の住宅地に囲まれています。
 信号から入るとまず「油面自転車」という自転車修理店、その並びには画廊があって、さらに面白い発見が期待されますが・・・・、歩くにつれて人通りも少なくなり、空き店舗も目立つようになります。しかも、狭い道路で歩道もなく対面通行となっており、背後の住宅地から目黒通りへの抜け道になっているらしく、かなり頻繁に行き交う自動車を避けながら歩かなければなりません。商店街に面して油面小学校もあるのに、安全性の確保対策がまず必要といえそうです。
 昼過ぎの時間帯に歩いたのですが、土曜にランチができる飲食店は少ないようです。小学校(ABURAMEN ELEMENTARY SCHOOL の表札あり)の向かいあたりにある電器店「東大でんき」は、その名の訳が気になります。そこから北へ行くほど空き店舗が増え、レトロ感が高まりますが、「あびこ屋ふとん店」あたりの風情は、わびしさと懐かしさが入り交じった不思議さを感じさせます。
 この商店街の「売り」は、商店街中程にある「油面子育地蔵尊(高地蔵)」でしょう。もっと大きなお寺のお堂のようなものを想像していましたが、パン店の脇にこじんまりと佇んで道行く人を見守っていらっしゃいました。育児の厄除けに霊験あらたかということで、毎月3の日に縁日が開かれ、毎年2月と7月には大祭が行われるようです。
 鉄道駅から離れたハンディを負いつつも、周辺の居住人口は多いはずで、拠点性を再び高めるべく、子育地蔵尊にあやかって何か話題性を高める工夫はないものかと思いながら歩きました。
・なつかし度  ★★★☆☆
・ぬくもり度  ★★☆☆☆
・ひょうきん度 ★★★☆☆
・ふだん着度  ★★★☆☆
・ローカル度  ★★★★☆

レトロ感満載の商店街の北端付近
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油面子育地蔵尊(高地蔵)
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[№48]魚らん商店会

歩いた日 H24.05.26 【港区】 
 「魚籃坂」の名は、坂の途中にある魚籃寺に由来するということです。品川方面からこの坂を降りてくると魚籃坂下の交差点で、ここを中心に桜田通りなどに挟まれたほぼ三角形の一帯がこの商店街です。住所は高輪一丁目で、正確には「魚らん銀座商店会協同組合」が組織名ですが、「魚らん商店会」としてアピールしているようです。
 商店会ホームページによると、大正時代からの歴史を持ち、都電があったころは大いに賑わったようですが、今は、地下鉄白金高輪駅が目の前にできたとはいえ、地区を囲む幅広い3本の幹線道路の交通量が多く、その流れの勢いに圧倒されているように見えます。
 まず、麻布へ向かう6車線道路の歩道を歩くと、薬店の先にインド料理や焼き肉店、ちょっと高級そうな蕎麦店などが並び、路地側にイタリア料理店が見えたりしますが、生活感は乏しい感じです。
 緑地帯がある三叉路から魚籃坂方向に入ると、釣り具店や印章店、古書店、乾物店など、多少生活色が感じられるようになります。そして、お茶屋さんの店頭にまたまた発見、「まぼろしの飴」の表示を。見たのは3回目ですが結構有名なのでしょうか。私が知らないだけ? 一歩入った路地に商店会館がありますが、その2階が「どんどん」という焼鳥屋であることが微笑ましく、ホッとさせられます。
 魚籃坂下交差点を右に折れ、桜田通りの歩道を進むと、ここもまた車の流れが激しく殺伐とした感を強くしますが、その中に、「頑なにここで頑張っています」という風情の「たたみ」店があるのは、思わず応援したくなります。「畳 襖 壁紙」と大書され、異彩を放っているように見えました。
 いわゆる生鮮食品の店は見当たらず、周囲に居住人口がどれだけいるかわかりませんが、日常生活ニーズは大丸ピーコックがあるのでそこで満たされているということでしょうか。
 この商店街で好感が持てるのは、地下鉄出口や商店街内に商店街のマップが掲示されていることです。こうした案内・誘導、アピールの努力は重要ですね。商店会の組織力が維持されているのを感じました。
・なつかし度  ★★☆☆☆
・ぬくもり度  ★☆☆☆☆
・ひょうきん度 ★★☆☆☆
・ふだん着度  ★☆☆☆☆
・ローカル度  ★★☆☆☆

茶店、薬店などがある歩道
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「畳 襖 壁紙」のお店
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[№47]四の橋白金商店会

歩いた日 H24.05.26 【港区】 
 下町愛好派の私が港区白金などを歩くには少しばかり勇気が要ります。それでも、都心3区のひとつに数えられる港区にどれだけ商店街らしい商店街があるかを探索するために、地下鉄の白金高輪駅から地上に出ました。北里大に向かうバス通りを西に少し進むと、左に氷川神社の立派な鳥居があり、その向かいが商店街の入口です。ここから一歩入って安心しました。気取った雰囲気はなく、レンガ舗装の一方通行路でまず目に飛び込んできたのが100円ショップ「キャンドゥ」の赤い看板だったからです。
 歩くにつれ、美容室や理髪店、パン屋や300円弁当の移動販売、普通の街の電器店や文具店、クリニックに歯医者さん、さらにはクリーニング店が4店もあるなど、「日常」が溢れています。シロカネらしいスイーツ店やレストラン、ジュエリーショップなどもありますが、「日常」に溶け込んだ形です。
 ホームマートという食品スーパーやグリーンショップという看板を掲げる青果スーパーのほか、小さいながら魚屋もあって、生活臭が濃厚です。児童遊園ではお父さんが子どもを遊ばせています。
 そしてそして、古びた「郵政宿舎」に挟まれるように古色蒼然と構えるのは「四の橋市場」。青果、魚、精肉などの大きな看板を掲げ、中は下町顔負けの市場空間の様子。土曜の昼で本格営業時間から外れていたようですが、この存在自体にうれしくなってしまいます。周辺住民の所得階層は高いのでしょうが、生活のニーズはどこも共通ですね。それを支える商店街の存在が頼もしいです。
 商店街を抜けると、古川の上を首都高速二号線が覆う四の橋交差点で明治通りです。橋のたもとに「時計台広場」があってベンチが置かれ、休憩ができます。ここまで一往復しましたが、オシャレイメージが強い白金地区にこのような気さくな商店街があることにホッとさせられました。
・なつかし度  ★★★☆☆
・ぬくもり度  ★★★☆☆
・ひょうきん度 ★★★☆☆
・ふだん着度  ★★★☆☆
・ローカル度  ★★☆☆☆

「日常」感があふれる商店街
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「我が道を行く」風情の「四の橋市場」
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[№46]町屋駅前東口商店会

歩いた日 H24.05.20 【荒川区】 
 日曜の夕方、町屋の駅周辺を歩き回った後、京成電車で帰ろうとしたところ、駅の向こうに「町屋駅前東口商店会」の黄色いフラッグが連なっているのが見えました。駅前高層マンションビルの「イーストヒル町屋はいから館」1階の店舗も含めて、線路沿いの藍染川通りとその一本裏の通りからなる小規模な商店街のようです。駅前の地図看板の裏が商店街看板になっていて、そこに書かれた店舗名を数えると25店ありますが、それだけではないかもしれません。
 オリジン弁当の左から裏通り側に入ると、二階部分がなぜか白壁風の「はいから館」1階にスーパー「グルメシティ」があり、これもこの商店会の一員のようです。その向かいには薬局があります。石畳舗装の道には自転車がたくさん停められ、駅から住宅地への抜け道となっているようです。
 藍染川通りに出ると、いかにも効きそうな大きな親指の絵が書かれた指圧マッサージ店の看板や、焼肉店などが目立ちますが、そんな中で、呑み屋の扉の上に掲げられた「家へ帰ったら何もないぞ」というメッセージは楽しいですね。
 おじさんたちの夜の町と主婦たちの昼の買物の町が混在しているようなところですが、こじんまりとまとまって、それなりに健全な雰囲気で地域に溶け込んでいる商店街と見えました。
・なつかし度  ★★☆☆☆
・ぬくもり度  ★★☆☆☆
・ひょうきん度 ★★★☆☆
・ふだん着度  ★★★☆☆
・ローカル度  ★★☆☆☆

スーパーもある裏通り部分
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藍染川通り沿いの部分
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